個性診断は「相手探しの道具」ではありません

相性のいいタイプを知りたい。

そう思って、診断を試したことはないでしょうか。

私は結婚相談所で、個性診断を使いながら200人以上の方と向き合ってきました。

その経験から、先に申し上げておきたいことがあります。

診断は、相手を探す道具としてはあまり役に立ちません。

けれど、別の使い方をすると、とても役に立ちます。

同じ人は、一人もいませんでした

200人以上を見てきて、いちばんはっきりしていることがあります。

同じ人は、一人もいませんでした。

診断の結果が同じ分類に入っても、話してみると全然違う。

育ってきた環境が違い、傷ついてきた場所が違い、大事にしているものが違うからです。

だから、分類を見て「この人はこういう人だ」と決めてしまうと、たいてい外れます。

タイプを頼りに相手を絞り込むのは、条件で絞り込むのとあまり変わりません。

リストの項目が、年収から性格に変わっただけです。

そして、リストで絞り込んでいる間は、心が動かない。

これは、条件のときと同じです。

相性より、大切だと感じたこと

では、相性はどうでもいいのか。

そうではありません。

ただ、私が現場で見てきた相性は、少し違うものでした。

似ている二人がうまくいく、とは限らないのです。

私たち夫婦の診断結果は、補い合う組み合わせでした。

似ていません。

考え方も、動き方も、けっこう違います。

それでも、なんとかやってきました。

一方で、二人ともあまりしゃべらない方同士のご夫婦もいました。

こちらは、似ている二人です。

そのご夫婦も、うまくやっておられました。

似ていてもいい。

違っていてもいい。

そこは、あまり関係がなかったように思います。

分かれ目になっていたのは、別のところでした。

相手の個性を、認められるかどうかです。

自分と違うやり方をする相手を、間違っていると思うか、そういう人なのだと思えるか。

お互いに敬意を持てる二人は、タイプが違ってもやっていけました。

逆に、そこができない場合は、どれだけ条件が合っていても難しかったと感じています。

「同じ職業の人がいい」と言って去った方

こんな方がいました。

30代の教員の女性です。

しっかりした、向上心のある方でした。

何人かとお見合いをされ、交際に進むこともありました。

けれど最終的に、退会されました。

理由は、こうでした。

教員の仕事の内容や環境は、一般の方にはなかなか分かってもらえない。

だから相手を探すなら、やはり教員がいい。

それでまわりで探します、と。

その気持ちは、よく分かります。

分かってもらう苦労は、確かにあります。

ただ、私はこうも思いました。

彼女が本当に欲しかったのは、同じ職業の人ではなく、分かろうとしてくれる人だったのではないか。

同じ職業でも、分かろうとしない人はいます。

違う仕事でも、聞こうとしてくれる人はいます。

条件で絞ると、この違いが見えなくなってしまうのです。

診断の、本当の使い道

だから私は、診断をこう使ってきました。

相手を分類するためではなく、自分を知るために使う。

自分は、どういうときに力が出るのか。

どういう扱われ方をされると、しんどくなるのか。

自分のペースを大切にしたい人なのか、誰かと一緒に動きたい人なのか。

これが分かると、相手選びが変わります。

タイプで選ぶのではなく、この人となら自分の呼吸ができそうか、で見るようになる。

主語が、相手からあなたに移るのです。

ひとつだけ、気をつけていること

最後に、正直なことを申し上げます。

診断に答えるとき、あなたはすでにいろいろな価値観の影響を受けています。

生まれてからずっと、まわりの意見や正解探しのなかで作られてきた自分です。

その状態で答えた結果が、本当のあなたの個性なのかどうか。

私は、そこには慎重でありたいと思っています。

だから診断の結果は、答えではなく、話のきっかけくらいに思ってください。

結果を見て「当たっている」と感じた部分より、「これは違う気がする」と感じた部分のほうが、実は大事だったりします。

その違和感は、あなたの感覚が動いた証拠だからです。

診断は、当てるためのものではありません。

自分と話すための、きっかけです。

自分を知るところから始めたい方へ。

『正解の結婚より、納得できる人生』

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