条件がそろっているのに踏み切れないのは、なぜでしょう

いい人です。

条件も、悪くありません。

まわりに話せば、何が不満なのと言われるでしょう。

それなのに、決められない。

こういうとき、自分を責めてしまうのではないでしょうか。

私は高望みなのかもしれない。

私が、わがままなのかもしれない。

私は10年間、結婚相談所を営んでいました。

その現場で、同じ言葉を何度も聞きました。

そして、そのたびに思っていました。

この方は、わがままなのだろうか。

そうは思えませんでした。

条件はリスト、安心は別のものです

条件というのは、書き出せるものです。

年齢。

仕事。

住んでいる場所。

家族のこと。

だから、比べられます。

そして、そろっているかどうかを確認できます。

けれど、安心は書き出せません。

この人といると、なぜかホッとする。

この人といると、なぜか疲れる。

どちらも、理由が言えません。

言えないから、根拠のないものだと思ってしまう。

そして、書き出せる条件のほうを信じようとします。

私は、それが逆なのではないかと思っています。

条件は、あとから確認できます。

けれど、一緒にいたときの感じは、会ってみないと分からない。

会ってみないと分からないもののほうが、実は貴重な情報なのです。

成婚の申し出を、断った方

こういう方がいました。

30代の女性です。

仕事では男性を引っ張っていく立場で、しっかりした方でした。

そろそろ結婚する年齢だから、ということで入会されました。

活動を進めるうちに、ある男性と交際に入りました。

私たちから見れば、いい方でした。

誠実で、彼女を大切にしてくださる。

やがて、先方から成婚の申し出がありました。

普通なら、そこで話が決まります。

けれど彼女は、お断りされました。

理由をうかがうと、こうでした。

その方の良さが、自分には分からない、と。

結局、彼女は退会されました。

あのときは、もったいないと思う気持ちもありました。

いまは、違う見方をしています。

彼女のなかに、まだ結婚したい気持ちが育っていなかったのかもしれない。

まわりから言われるのが嫌で、自分から動いた。

そして、頑張ったけれどご縁がなかった、という事実が欲しかったのかもしれない。

これは私の推測です。

ご本人に確かめたわけではありません。

ただ、こういう方は一人ではありませんでした。

だから私は、思うのです。

踏み切れないというのは、心が出しているとても正直な返事なのだと。

踏み切れなさは、直すものではありません

踏み切れないとき、多くの方はそれを直そうとします。

もっと相手のいいところを見よう。

自分の理想が高すぎるのだから、下げよう。

その努力は、たいていうまくいきません。

心は、説得されないからです。

頭で「この人が正解だ」と何度言い聞かせても、動かないものは動かない。

そして、説得を続けているうちに疲れていきます。

だから、いったんやめてみてはどうでしょうか。

直そうとするのではなく、聞いてみる。

私は何が引っかかっているのだろう。

言葉にならなくて構いません。

体のどこかが重い、というだけでもいいのです。

分けて考えると、少し見えてきます

ひとつ、試してみてほしいことがあります。

紙に、2つの列を作ってください。

左に、この人と結婚したくない理由。

右に、結婚が怖い理由。

この2つは、まったく別のものです。

左に並ぶのは、相手についての話です。

右に並ぶのは、あなた自身についての話です。

多くの場合、右のほうが長くなります。

そして右が長いとき、相手を変えても踏み切れません。

そこが分かるだけでも、ずいぶん違います。

もし右が長かったとしても、がっかりしないでください。

怖いのは、当たり前です。

一生の話をしているのですから。

あなたが決められないのは、いい加減にやっていないからです。

私はそう思っています。

「決められない」の奥にあるものを、一冊かけて書きました。

『正解の結婚より、納得できる人生』

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