『正解の結婚より、納得できる人生』を書いた理由
『正解の結婚より、納得できる人生』という本を書きました。
婚活の本です。
けれど、婚活のやり方は書いていません。
なぜそんな本を書いたのかを、ここに残しておきたいと思います。
定年のあとに、妻と相談所を始めました
私は長いあいだ、電子部品の技術マーケティングの仕事をしていました。
40年近く、その世界にいました。
婚活とはまったく関係のない仕事です。
定年で退職したあと、妻と結婚相談所を始めました。
私たち夫婦は、それぞれに回り道をしてきた者同士です。
その経験を活かして、ご縁を結ぶお手伝いができればと思ったのです。
正直に申し上げると、始めたころは単純に考えていました。
いい方同士をお引き合わせすれば、結婚が決まる。
そう思っていたのです。
現場で見たのは、テクニック不足ではありませんでした
実際にやってみると、違いました。
多くの女性たちと話すうちに、気づいたことがあります。
彼女たちが求めているのは、単に結婚相手ではない、ということでした。
仕事では評価されるのに、婚活では選ばれないと感じる。
そして同時に、自分が選びたい人にも出会えない。
条件は悪くないのに、「何か違う」が消えない。
そういう方が、本当にたくさんおられました。
ある30代後半の方は、こうおっしゃいました。
「条件的にはいい人なんです。でも、何かが違うんです。多分、私がおかしいんです」
私は、その言葉に引っかかりました。
本当に、おかしかったのでしょうか。
そうは思えませんでした。
彼女の心は、条件では測れない何かを感じ取っていたのだと思います。
10年の現場で見てきたのは、テクニックが足りない人の姿ではありません。
誰かの正解に従おうとして、自分の感覚を後回しにしてきた人たちの、静かな疲れでした。
私自身が、同じことをしていました
なぜそれに気づけたのか。
自分が、まったく同じことをしてきたからです。
私は1955年の生まれで、田舎の家で長男として育ちました。
家を継ぎ、結婚し、一家を養う。
それが正しい人生だと、いつのまにか信じていました。
そのとおりに生きて、最初の結婚は、うまくいきませんでした。
別れるとき、妻に言われた言葉があります。
「あなたとの老後の人生が考えられない」
正解を走ることに必死で、隣にいる人を見ていなかった。
そのことに、そこで初めて気づきました。
その後、ご縁があって再婚しました。
今度は、条件や世間体よりも、一緒にいてホッとできるかどうかを基準にしようとしました。
自分の心に正直に動いた分だけ、納得がありました。
つまり私は、教える立場ではないのです。
先に同じ道で転んだ、というだけの人間です。
この本に、あえて書かなかったこと
書かなかったことが、3つあります。
ひとつは、婚活のテクニックです。
写真の撮り方も、会話の広げ方も、書いていません。
役に立たないからではありません。
そこから始めると、また「正しいやり方」を探すことになるからです。
もうひとつは、成功の法則です。
こうすればうまくいく、という約束はしていません。
10年見てきて、そんなものはないと分かったからです。
同じやり方で、決まる方も決まらない方もいました。
そして3つめ。
「結婚しなくてもいい」という主張です。
これは、書こうと思えば書けました。
けれど、婚活の途中で苦しんでいる方に、いきなりそれを言うのは違うと思ったのです。
いま火がついている願いを、外から消すようなことはしたくありませんでした。
結婚したいなら、それでいい。
やめたいなら、それでもいい。
決めるのは、読んだ方です。
令和を生きるあなたへ
昭和を生きた私には、長いあいだ「自分の人生を選ぶ」という感覚が分かりませんでした。
分からないまま、60を過ぎるまで来ました。
だからこそ、令和を生きるあなたに、同じ遠回りをしてほしくないと思っています。
この本を読み終えたとき、答えは人それぞれ違うと思います。
結婚に向かって進む方もいれば、いったん立ち止まる方もいるでしょう。
それでいいのです。
大切なのは、その選択があなた自身の納得から生まれること。
それだけだと、私は思っています。
急がなくていい。
正解を探さなくてもいい。
読み終えたときに、あなたの心が少しだけホッとしていたなら、私はそれで十分です。
『正解の結婚より、納得できる人生』

